「IT地方エンジニア Advent Calendar 2018 」2日目です!
2日目は「地方勤務で懸念される賃金格差・・・都内勤務よりも年収が大幅に下がってしまう、それを補うためにITの力を使っていこう」という話です
筆者は青森県八戸市の出身で、大学進学とともに上京、現在は埼玉県に住み、都内に通勤しています。
埼玉県は地方なのか?ということについては
・隣の区画に果樹園がある
・無人野菜販売所がある
・無人精米所がある
あたりでお察しいただければと思います。
1.Uターンを断念した話
32歳のとき、Uターン転職を考え、出身地の就職活動をしたことがあります。
動機は単に前職の仕事、工数換算すると4.2人月分を一人で回さないといけないくらい過酷になり、転職せざるをえなかったからです。
それまではインフラエンジニアとしてそれなりに業務をやっており、
また複数のクラウド構築経験ももそこそこあったので
業種としてはいままでやってきたIT・通信系の仕事が地元であればと思って地元の転職先を探しました。
ハロワや有料紹介所から2件ほど、急募かつスキルマッチとして
いろよいお仕事紹介いただいたのですが職種としては
・自社データセンターの保守業務
・IT系専門学校の講師
で、ネックだったのが年収でした。
なんと、300万程度も下がる目算になったのです。
もっというと正規雇用ではないということもあり面談にも進まず断りました。
その後、都内勤務で前職よりもよい年収ならびに先進のクラウド業務が見つかったため
Uターン転職自体を諦めざるをえなかったのです。
あれから4年ほど経ちましたが、いまだに埼玉住まいの都内勤務を続けております。
(通勤は電車で1時間、ドアtoドアで一時間半かかっています。)
その一方、やはりUターンしたいという思いがあり、いまでも転職要望はあげてはいますが、この年収の落差というところがありUターンに踏み切れていないのが実情になります。
2.現在も「中央」と「地方」の賃金差は続いている
中央と地方の賃金格差でよく引き合いにだされるのが「最低賃金」ですが、
それをみてIT業界では地方分業化なども行っている例もあります。
例えば青森や沖縄にコールセンターを新設に全国からの電話と問い合わせに対応、
地方の安い人材力で低コスト化した、というものです。
これは、中央でわざわざやらなくてもいい業務を整理し、地方分散、地方に職を供給するという意味で、ある一定の評価ができる、一方で低コストを狙った人材募集であるため、ますます中央・地方との格差は埋まっていかないと感じているのです。
3.都内中央で集中しているITの仕事はなにか
逆にいまだに中央に固まっているIT職務があります。
(WEB制作やシステム開発などもありますが、私の過去経験ないので割愛しております)
・営業(プリセールス・営業支援業務)
・サービス企画
・ビジネスコンサルタント
・インフラ系構築業務
これらが中央に偏っている理由は簡単です。
客先・案件が都内中央に集中しているからです。
4.地方でできないのか
これらが地方でできない理由は、
「お客様の本社が東京に集中している」ことにつきます。
BtoBtoXモデルでパートナー会社が同じ地方にあったとしても
エンドユーザの本社や、コンシューマターゲットだと東京起点が有利、となることが多いです
5.リスクが伴うのであればリターンを得たい。
一方、「ITの力」を使えば遠隔地での就業を可能にできるのも注目です。
・リモートワークをフル活用した勤務を取り入れる
・メール・チャット・WEB会議を多用し社内対話と変わらない
コミュニケーションをとっていくやり方
・案件進捗対応状況の日次見える化など常に上司が物理的近くにいなくても勤務状況がわかるような評価体制
これらが整えられるソリューションがでてきたのはほんの最近のことで
フルに活用すれば都内でオフィスワークするのと変わらずに仕事をすることができるようになりました。
ただ、都内よりも地方にいるほうが稼げるよ!という仕事、アセットが見つけられず
都内よりも地方での就業の方が稼げるケースが見つかりませんでした
「できれば都内で固まって仕事して欲しいけど、個人の都合があるから地方就業を『許している』」という発想になっているのではないかと
6.おわりに
私の手の届く範囲で調べた限り、中央→地方にUターンし収入アップする方法というのがいまのところ「大きなリスクを取って起業する」しかないのが
なんとも悲しいところです。それも中央で起業するよりもメリットのあるビジネスモデルでないと難しいという。。。
もっと自由な選択をもってUターン就業、そして地方貢献ができることはないか、これからも模索していきます。
明日、3日目は@tw_ymz さんの
「アクアライン通勤で木更津から東京、年1ビックタイトルゲーム開発の戯言」です。
宜しくお願いします!